期日前投票に行ってきた

私はサービス業という仕事柄、土日も仕事していることが多い。 そういう人間にとって期日前投票は便利でありがたいシステム。 今回の参議院選挙でも期日前投票へ行ってきた。
私が住む東京都世田谷区は期日前の投票所が20か所以上ある。 投票率を上げるためには期日前の投票は悪くはないが、少し考えさせられる。

まず私の行った投票所には6人のスタッフがいる。 説明する者2名。投票用紙を配る者2名。投票を監視する者2名。 朝の8:30~20:00まで12時間営業だ。 これが1週間続く・・・・

私は経営者なので考えてしまう。 時給1,000円×12時間×6名×1週間= 500,000円! これが世田谷区だけで20か所以上。1,000万円では足りません。 東京都なら60近い市区があり、46都道府県だと??? しかしこれは人件費だけです。 設備の使用料や水道光熱費入れたら一体いくら掛かるのだろう

まあ期日前投票だけでも何十億円以上かかるわけですね・・・

そこまで投資して、肝心の投票率が上がっているかといえばそうでもない。 投票率は全体で50%くらいだけど、20代は30%前後しかない。
そりゃそうだ。投票するの面倒だもの。自分の1票で何も変わらないしね。それ以上に政治に興味がない。 便利に見える期日前投票のシステムにしても、若い人が政治に興味がなきゃ行かない。

政治投票自体の根本に問題がある気がする。 投票行為のモチベーションを変えればどうだろう?

少し強引だが、投票を権利ではなく、義務にしてしまうとか。
投票行かないと、「年金が減る」「医療費の負担が3割から4割になる」「住民税が年額10,000円増える」とか。

逆に投票すればサービスを付加する。
「投票者から抽選で国会見学+支持政党の党首と記念撮影」「年末調整や確定申告で2%控除を受けられる」とか。

投票自体は自主性を尊重し、投票に利害を発生させるべきではないのは理解できるが、 「投票率を上げる」という問題に直面した時に、施策を加えて投票率を上げる事に関してモラルや政治的な問題があるのだろうか?
邪(よこしま)な気持ちが合ったとしても、投票率が上がったほうが国民の意見を政治に反映していると言えるのではないだろうか? 勿論、特定の政党や候補者に利権が発生しない前提は必須。


それ以上に考えさせられる事がある。 投票は投票所に行かなくてはいけない事。 自宅で投票できれば? 今の時代、何故インターネットが使えないのだろう?

若い人のスマホ所有率はほぼ100%。スマホで投票させれば飛躍的に投票率は上がるだろう。 もちろん、安全性や本人確認の問題もあるのは理解できる。
セキュリティーに関しては、モバイルバンキングができる時代なのだからいくらでも施策があるだろう。 本人確認の問題もあるかもしれない。スマホの所有者と違う人がスマホを借りたり盗難すれば投票できてしまう。

しかし、スマホでなくても現状の投票所の本人確認はいい加減。 投票用紙を持っていき、、係員から聞かれたら、名前と住所言うだけで投票できてしまう。 写真確認も無い。証明書の提示もない。 同級生がクラスメイトの代わりに用紙をもって投票に行っても絶対にわからない。

今や住民票も印鑑証明もコンビニでとれる時代。昔は役所に行ったものがコンビニで発行されれば、 借金だって車の購入だって可能だ。 ならば何故、投票だけ現場にこだわる?
むしろスマホのアプリで顔認証と声認証、筆跡認証が出来れば、 投票所よりも精度が高いセキュリティーが保てるのではないかと思う。

皆がインターネット環境があるわけではない。お年寄りは使えない人も多い。 それでも投票所を減らし、コストを削減することは可能なはず。 期日前投票カーを作り、過疎地域を走らせるとか、経費削減の工夫は幾らでもできる。
「投票所に行かないと投票できない。」 100年前からコストと手間が掛かる同じ選挙システムをIT近代国家の現在でも続ける理由がわからない。

消費税を上げるの結構だが、「投票率を上げる事。投票のコスト下げる事」真剣に誰かがやらなければいけないのではないか? 与党も野党も誰も言わない。 与党は選挙ビジネスに既得権益があるのだろうな。
野党の支持者は言われなくても積極的に選挙に行く。今の政権を変えたいのだから。 しかし投票率が上がると、現状の日本に大きな不満がない多くの国民は与党を支持するだろう。 野党の立場上、支持政党がない人に「投票に行こう」とは言いにくいだろう。

結局何も変わらないか・・・
政党支持や政策論とは関係なく、この件に関して積極的に取り組むなら私は支持しますよ。

民間企業なら何十億と削減できるので真っ先に手を付けてると思うけどな。
目に見える無駄な税金の支出が解消できない。
やはりお役所仕事なんでしょうね・・・



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2019年07月18日付

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