昨今のゴルフ競技
数年ぶりにゴルフ競技に出場しました。
クラチャンや理事長杯といったクラブの競技では無く、
KGA(関東ゴルフ連盟)が主催する、関東アマというゴルフ競技です。
関東エリアのアマチュアNO.1を決めるという競技になるでしょうか?
誰でも参加できる訳ではありませんが、大学やホームコースで推薦してもらればエントリーできる試合です。
関東アマの上位に入ると、日本アマへ出られます。日本アマの上位に入ると日本オープンに出られます。
トップアマの多くが参加する、毎年1回の腕打試しですかね。
以前は社会人の腕自慢ゴルファーが多かったのですが、最近は学生のエントリーが多くなったと感じます。
私も同組がプレーヤー全て大学のゴルフ部という組み合わせでした。
自分の子供のようなプレーヤーと一緒に本気で競技するのは、ある意味とても楽しい事でもあります。
しかし現実は厳しいものでした。
まず飛距離ですが、学生は明らかに別世界でプレーしています。
ドライバーは300yは飛びます。
ティーショットを打つ時にバックティーからだと230y~270y付近に左右にクロスバンカーがあります。
私は、そこを避けるようにフェアウェー真ん中へ打っていかなくてはなりません。
学生たちは、全てキャリーでバンカーを超えてしまいます。従って真ん中のフェアウェーではなく、左右のラフまでボールを曲げられます。
600y弱のPAR5でも彼らは2回で乗ってしまいます。
私はどうやっても3打目が100y以上残ります。
ゴルフが飛ぶ方が有利なのは昔から同じですが、同じ技量でも飛ばない人は難易度が数倍に跳ね上がってしまいます。
一方で、グリーンの難易度が飛躍的に上がっています。
簡単にアンダースコアーが出ないように、グリーンを硬くしてスピードも速くなっているのです。
当日のピンのポジションとグリーンのセッティングで優勝スコアーをコントロールしています。
プレーヤーには公平な条件に見えるかも知れませんが、実はそうではありません。
アイアンで真っすぐそして適正の距離を打てても、コンパクションが硬くてグリーンで止まらないのです。
私は通常8番で150y打ちますが、競技では150y地点に落ちて更に10y弱転がっています。
5番アイアンの飛距離は185yですが、試合中は落ちている場所はグリーン真ん中で180y以下にもかかわらず、
ボールが止まっているのはグリーン奥のカラーを超えて砲台グリーンのダウンヒルの途中まで行っています。
ボールが落ちてから20y以上転がっている状況です。
番手を一つ落としても手前にはバンカーがあるので、これではグリーンすら届きません。
結局いくら良いショットを打ってもまともに戦えません。
一方で大学生はショートアイアンで高い球を打ち、落ちてから転がらないようにプレーしています。
もしこの状況で私が勝負できるとすれば2通りです。
・ドライバーの飛距離を40y伸ばし、学生の様に300yドライブする事で、セカンドをショートアイアンで打つ。
・アイアンのスピン量を上げて、落下してからボールが前に転がらないように高い球を打つ。
ドライバーの飛距離もアイアンのスピン量も、いずれにしてもスイングスピードはHS50m/s無いと実現できません。
クラブを速く振れないと、試合では通用しないという事です。
最終的に大学生は2人とも予選を通過していきました。
私は参加者でも下から数えた方が早い順位でした・・・
確かに彼らのショットの精度は素晴らしいものでした。
しかし一度グリーンを外すと、やはりアマチュアである事を認識させられます。
バンカーに唯一入ったホールで彼はダボでした。
アプロ―チも全て寄せきれません。
結局、PAR5でバーディーを取り、パーオンできなかったホールはボギーなのです。
ショットが良い時はスコアーが良いのですが、ショートゲームは私と同レベルなのです。
彼らは難しいコンディションでも70台のスコアーでは廻りますが、ショット以外はそれほど上手く無い印象です。
裏を返せば、
ボールが飛べばショートゲームが上達しなくてもスコアーが出すことが出来る。
460yのセカンドを7番で打つ彼らにとって、通常の400y前後のPAR4で使うクラブは、ドライバーとウェッジショットだけなのですから。
今のプロの世界も同じなのではないでしょうか?
10年前以上にアメリカのツアーに参戦して成績を残した、丸山茂樹も宮里藍もボールは飛ぶ方でありませんでした。
欧米人に比べて身体も小さく飛距離が無い部分を、ボールを曲げて打ったり、アプローチの精度やグリーンなどテクニックを上げて勝負してきました。
しかし、近年はゴルフが完全なパワーゲームに変わっています。
最近のパワーゴルファーは、
・ドライバーが飛べばショットが多少曲がっても、バンカーや池のトラップはキャリーで超えてしまうので関係ない。
・セカンドショットもパワーがあり球が高いので、グリーンに落ちればどこでも止まる。
・アプローチやバンカーはそこそこの技術で乗り切れば良い。もしボギーを打っても次でバーディーを取ればいい。
距離が無いテクニシャンは
・ドライバーはフェアウェーを外すとトラップにつかまる。
・セカンドショットはグリーンが止まらないので、花道の上からなど打っていくラインが決まってしまう。
・アプローチやバンカーの技術が完璧でないとスコアーが崩れてしまう。
前者はPAR4のホールを3.5~4.0の範囲でラウンドして4打で上がっている。上手く行けば3で上がれる。
後者はPAR4のホールを4.0~4.5の範囲でラウンドして4打で上がっている。ミスをすれば5になってしまう。
引退した宮里藍プロがモチベーションを保てないのは理解できます。
自分の技術(テクニック)を幾ら上げても、ボールが飛ぶ(フィジカル)選手には敵わないのですから。
ゴルフはショット・アプローチ・バンカー・パターと本来はトータルの技術が必要な競技。
ところが、ボールが飛ぶ人は、ショットの精度が高ければ、アプローチとバンカーはほとんど打たずに済む。
そして同じショット精度でも、PAR5で2オンできる飛ぶ人なら物理的に打数が少なくなる。
多くのプロが提唱するようにここ数年のゴルフの飛距離は、万人に公平なスポーツから、
若くてパワーがないと上手く出来ないスポーツに変わった気がします。
先述したようにグリーンが速く硬いのは、パターの技術とは別に、パワ―がある人が絶対に有利。
思い切って、長いクラブで打ってもグリーンでボールが止まる様に、グリーンを重く遅くすべきでは?
その方が全てのプレーヤーに公平ではないか?
皆さんはどう思いますか?
次回へ
2018年04月04日付