ゴルフ場の池
難しい話が多いブログなので、少し息抜き。
ゴルフ場には池があります。
「ボール入るからヤだな」と思う人や、「景観がきれいだな」と感じる人もいるでしょう。
ゴルフ場の池は、難易度や景観に関わると思われていますが、実はもっと大事な役割があるのです。
ゴルフ場は芝生が無ければ成立しません。当然ですが自然に群生しているものでは無く、人工的に植えた物です。
この芝生がやっかいです。水を大量に使います。
「時々雨が降れば大丈夫」なんて生易しい事言ってられません。当然毎日水撒きが必要です。
そうです。ゴルフ場の池は散水用なんです。
雨水を池に貯めて、そこから散水する訳です。
ちなみに水道水を芝生に撒いていたら、ゴルフ場は半年で倒産するかもしれません。
皆さんが廻る日本のゴルフ場は2グリーンと1グリーンのゴルフ場があります。
2グリーンは日本の四季に対応する為です。
高温多湿の夏は夏芝の高麗グリーン
寒い時期には冬柴のベントグリーン(洋芝)を利用する為です。
昔のベント芝は日本の高温多湿の気候では夏に耐えられませんでした。
最近は品種改良で、夏にも強いベント芝が出来た事で、1グリーンのゴルフ場も増えてきたのです。
2グリーンのゴルフ場も、(高麗・ベント) →(ベント・ベント)に替えるコースが増えてきました。
同じ芝質にした方が、メンテナンスも楽ですし・肥料代も安いですからね。
ところがここで問題が発生します。
一般論ですが、2グリーンのコースは池が少ないのです。
日本の有名な設計家の井上誠一等が設計したコースは、比較的平坦で2グリーンで池が少ないのが特徴です。
主にベントよりコーライグリーンをメイングリーンと考えていました。
一方で外国人の設計したコース等は、自然の地形を利用してコース設計し、ベントの大きな1グリーンが特徴です。
そこには池が多く配置されます。
実はここでも池に関する理由があるのです。
ベントグリーンは高麗グリーンに比べて散水量が3~4倍と言われています。
従って、ベントグリーンを維持するには、大量の水が必要なのです。
今の時代はベント芝主流です。それにも関わらず高麗芝のままで運営しているゴルフ場もある理由は、
芝を張り替える費用の問題よりも、散水量を鑑みた時に、
池が少ないコースの構造上、適切な散水が不可能でベント芝が張れないコースも多く存在するのです。
何度も言いますが今は高麗よりベントが好まれる時代です。
高麗グリーンでプレーをすると「今日は高麗かよ!?」なんて言うゴルファーも多いですよね。
高麗だって良いコースはいっぱいありますよ。
九州のコースに行けばトーナメント会場でも高麗芝が主流だったりします。
あの有名な川奈だって高麗芝です。でもグリーンはいつも最高の仕上がりです。
機会があれば是非プレーしてみて下さい。
あ!そうそう
川奈も池が少ないコースですから、ボールも無くなりませんので安心です・・・
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2017年5月5日付