韓国との昨今の問題

残念ではあるが、最近隣人と仲が悪い。
本来は仲良くすべきだが、ここまでこじれると簡単には仲直りできない。
そう、日本と韓国である。

私は生粋の日本人だし、日本びいきではあるが、知合いや友達に韓国も含めた外人も多い。 仲良くやっているし、彼らに対して何の問題ない。

少し冷静に、私なりの見解で考えてみる。
出来るだけ平等にそして双方の見地から・・・・

日本と韓国は戦後1965年に「日韓請求権協定」を結んだ。 簡単に言えば、「日本は戦争での被害や侵略行為に対してお詫びする。戦後補償3億ドル支払う。その代わり第二次大戦の問題はこれで収束させる」 という意味であった。
ここで見解が分かれてる。

日本側は「徴用工や慰安婦に対しては、各個人に払う」と主張したのだが、当時の韓国政府が一括で払うことを請求したので、個人保証分も合わせて払うことになった。 だから個人の保障はもう日本がする必要がない。

韓国側は「戦後保証は国に対するもので、個人の請求権はある」従って戦争被害者に支払うべきだ。 「ましてや日本が拠出した3億ドルは、占領下から復興していく戦後の韓国が必要な復興援助金であり日本が負担すべきもの。これには戦後の保証の意味は含まれていない」 という2つののロジックだ。

日本人は日本側、韓国人は韓国側の主張を当然正しいと思う。
自国の裁判所が決定したことが(司法)尊重されるのか、国と国との約束(条約)が大事なのか。 世界的に見れば・・・・・まあ、わかると思う。
でもそれは100%正解でもない。

韓国はある意味特殊な考えがある。約束事より現在の考えや国民の支持で尊重され順位が変わる。 実はその対象相手は日本だけではない。
「OINK」ONLY IN KOREAという言葉がある。英語では豚の鳴き声だが経済用語だ。各国のファンダー(金融関係者)なら知っている。韓国は世界の常識と少し違う。 分からなければ「OINK」を調べれば出てくる。 そういう国民性を考える必要もある。


日本は基本的に争いごとを嫌う。多少攻撃されても「遺憾である」と言ってスルーしてきた。
しかしいよいよ政府も黙ってられなくなったのだろう。


今回半導体部品の輸出規制を行った。 感心するぐらい絶妙である。 前置きが長いが、今日の本題はここからスタートする。


日本の今回の処置で韓国はかなり立場が苦しい。 結論を言えば、このままでは韓国経済の破綻が始まる。大袈裟ではない。
韓国政府や韓国メディアは強気の姿勢を崩さないが、連日韓国でトップの記事になっていることからも潜在的な深刻さは伝わる。

半導体(DRAM)は韓国が世界シェアの75%ある。今韓国で利益が出ている産業は半導体ぐらいしかない。鉄鋼も造船も自動車も赤字なのである。 半導体以外で国を支える事ができないという事は、半導体の原材料が手に入らないと国の崩壊を意味する。
このままだと韓国の株式市場も下がる。そして通貨のウォンが下がる。2008年の通貨危機のようになる。 ましてや韓国は1997年に国家破綻もしている。それから数年の準備期間があったにも関わらず、もし再度通貨危機になればその教訓がこの国には生かされていないという事。

韓国の最大弱点は、韓国企業が作る工業生産品(半導体や自動車や造船)は他国でも作る事ができる。 日本の強みは、日本企業しか作れない原材料や特殊技術が多くあることである。いわゆるONLY1である。

科学(化学)系のノーベル賞は日本人は17人もいるが、韓国は0である。 韓国はオリジナルが弱いのである。他国の原材料を輸入して製造物を作ることがメインで、独自の開発や発明が遅れている。
今回の事案で韓国政府は1兆円規模で投資して自国で原材料を作るといっているが2~3年では到底不可能だ。もう間に合わない。
ましてやフッ化水素を韓国で作るのは難しいと思う。国民が許すだろうか?
2012年に韓国は大事故を起こしている。「亀尾(クミ)のフッ化水素酸ガス漏れ事故」と調べれば出てくる。

韓国政府はこう言っている。
世界の75%シェアの「韓国からDRAMが輸出できないと世界中のメーカーが困る」ましてや日本も「DRAMが韓国から輸入できないとソニーやパナソニックは電気製品が作れない。」 困るのは韓国ではなく半導体を使っている日本も含めた経済諸国だ」と。
韓国は日本に対して報復のDRAMの輸出規制をするとも言っている。
残念ながら全く心配はない。
半導体残り25%はアメリカのMICRONや台湾企業である。その機能はコストこそ違うが、韓国製のサムスンやSKでなくても十分機能する。 日本もわずかだが東芝やエルピーダメモリ―(再建中)もDRAMを作っている。代用品やメーカーは韓国以外に幾らでもあるのである。 。
DRAMが日本へ売れなくなると困るのは、コストが上がっても代替品で対応出来る日本メーカーではなく、 実際にDRAMが販売できなくなり売上が下がる「サムスン」と「SK」なのである。

韓国からDRAMが入らない可能性があるとなれば、世界中の電機メーカーは保険をかけて、日本やアメリカや台湾に代替品を求めるだろう。 危機管理が出来ている企業は今の時点でもすでに動いていると思う。韓国がDRAMを輸出できなくなってからでは遅いからだ。
そして韓国以外のDRAM会社は大チャンスである。日本も2010年代以前はDRAMが世界1だった。日本でも半導体産業の復活が可能になるかもしれない。 それに電機メーカーがDRAMの取引先を変えれば流通や商慣習が変わってしまう。コストと時間をかけて再度韓国製に物流が戻る事は考えにくい。 一度でも韓国が出荷停止すれば、韓国のDRAMの世界シェアは数年後に大きく落ち込んでしまうのは間違いない。

私はDRAMの世界での構成図を変える為にアメリカも今回の案に加わったと思う。 安部首相とトランプ大統領の数回にわたる会談はこの打ち合わせもあるはずだ。 中国のファーウェイ製品はほとんどがサムスン製のDRAMを使っている。 DRAMがアメリカ・日本・台湾だけになればDRAM取引先全てがアメリカの友好国になる。ファーウェイへの製造行程(DRAM)にアメリカが間接的に関与できる。韓国も同盟国だが最近はアメリカとの仲も悪い。


日本の経済界はどうであろうか?
「フッ化ポリイミド」、「レジスト」、「フッ化水素」などを作るメーカーは大量の輸出先が無くなるのである。大問題であろうか? 住友、ダイキン、JSR、東京応化工業、信越化学工業、住友化学、富士フイルム、森田科学工場、ステラケミファ
どこのメーカーも今回の政府の政策を批判していない。

一方で、日立・パナソニック・ソニーをはじめ韓国製のDRAMを輸入して製品を作っている国産メーカーはどうであろう?
どこメーカーも今回の政府の政策を批判していない。

わかりやすく言えば、政府がこの処置をする前に、すべて影響があるメーカには打診して了解を得ていたということだ。 経団連は自民党の支持母体だ。これらのメーカーは経団連の傘下に入っている。 もし各メーカに告知もなく発表して経団連に迷惑をかければ、自民党の支持が減る。 参議院選挙の前にそんなことが出来るわけがない。
選挙前にこの処置ができたという事は、関係企業はすべて了承済みという事だ。 ネゴシエイトには時間がかかる。だから実行まで時間がかかったと思われる。

韓国は対抗措置としてWTOに提訴するといってきた。不平等貿易ということを主張したいらしい。 この対抗策も完ぺきに日本政府は先読みしている。

ホワイト国を外したのは「報復」だけではない。(日本政府は報復を否定しているが・・・) 実は審査が必要になる「フッ化水素」は核開発に必要なパーツでもある。
どうも韓国は今までに日本からの輸入が無審査であるが故に、半導体製造以外にも北朝鮮に流した気配がある。 事実、韓国の発電所では北朝鮮の石炭が中国経由で入っている。また、日本海近海での石油の瀬取もアメリカは掴んでいる。 知っての通り文政権は北朝鮮に甘い。南北統一が政治公約だからだ。
世界中で共通していた北朝鮮への経済制裁公約を韓国は破っていた可能性が高い。

日本国は韓国に対してこの輸出の審査を開始することに正当性を十分に持つ。また軍事転用の可能性があるので審査開始したという理由ならWTOでも認められる可能性が高い。 安部首相とトランプ大統領が何回も会っていたのは、北朝鮮へのフッ化水素の転用をアメリカにも確認してもらう事でもあったと思う。
事実、アメリカは今回の輸出停止処置(実際は検査だが・・)になにもコメントがない。アメリカも今回の日本の対応は承知済み(日本政府がアメリカに制裁する前に報告済み)ということだ。
韓国がWTOに提訴したら、北朝鮮に軍事目的の横流しの事実が分かってしまうはずだ。 日本政府はアメリカに確認を取りその証拠を持ってこの制裁に乗り出している。(韓国による不透明で自国使用以上の過剰な輸入の痕跡)
その背景を知りつつ韓国は本当にWTOに提訴できるのだろうか?

今回の日本の処置は完璧に近い。
政治を経済に絡めたのは100点とは言えないが、徴用工問題で人質に取られた日本企業の資産を現金化させない為には十分すぎる対応だ。 韓国側が日本の凍結資産を現金化すれば、100%日本は原料の輸出を止めるだろう。

悔しいだろうが韓国側は妥協しかない。
マスコミは第2・第3の報復と言っているが、この一手でほぼ詰んでいる。
どう対応策に出るのか注目したいところだ。
唯一の懸念材料は。現在の韓国の大統領府は経済問題より南北統一しか興味がないところだ・・・・・



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2019年07月08日付

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