ティーチングプロゴルファーの生き方2
ゴルフ練習場は減りプロゴルファーが活躍できる場所は減っています。
反面、プロゴルファーがスタジオを作り、インドアゴルフスクールは増殖しています。
気が付けば私の廻りもゴルフスクールのライバル店ばかりです。
ここで、勝ち抜いて行けるのはどの位なのでしょう?
前章でも書いた通り、プロゴルファーはゴルフを生活の糧に出来る職種です。
しかし私は、
「ライセンスを取ってもプロゴルファーとして無理に生計を立てなくてもいいのではないか?」
と考えています。
厳しく言えば、レッスンプロのライセンスは、世の中の資格の中で難易度の高い資格では無いと思います。
本気で資格を取ろうと思えば、世の中の片手シングルクラスであれば大多数が取れると思います。
実際にレッスンプロの業界は人数が過剰になりすぎています。人口過多でフィットネス業界同様、年収も低い部類に入る業態です。
勿論、ライセンスを乱発する統括団体の責任もあると思いますが、一番はプロゴルファー自身の生活設計の問題です。
ライセンスを取得すれば、「その権利で生計を立てる」と考えがちですが、
もっと自由な発想を持っていいのではないでしょうか?
車の免許を持てば、皆その資格で生活の糧を得るわけではありません。
その資格は生きていく為の一つの手段です。
ライセンスは権利であるにも関わらず、その権利を行使する事だけを考えて視野が狭くなっていきます。
生活の糧を得るのは別の考えで、権利や資格を絶対に生活に生かさなければならない。とは私は思いません。
弁護士が政治家であっても良いように。
医者が宇宙飛行士であるように。
パン屋のプロゴルファー
タクシー運転手のプロゴルファー
司法書士のプロゴルファー
であっても良いのではないですか?
30年ほど前に大活躍した「泉川ピート」という選手がいました。
大きなトーナメントでジャンボや青木にも勝って、トータル何勝もしています。
彼は、体調がついていかなくなり、シニアの前に現役を引退しました。
なんと、PGAプロのツアー資格も返上したのです。
あれだけ取るのが難しい資格なのに、自ら放棄しました。
ゴルフに関してはアマチュアになりました。
今は起業家として活躍しているようです。
資格はあくまでも資格にすぎません。これでご飯が食べられる訳では無いのです。
資格を持っていても、技術が無ければ食べていけない。
彼は良く現実を分かっていたようです。
最後に少し脱線しますが、資格に関して面白い話を・・・
弁護士になるのは非常に難しいです。超難関国家資格です。
しかし弁護士になっても食べていけない時代になりました。
プロゴルファーと同様に数が多すぎるのです。
離婚弁護士や、刑事裁判をやるような弁護事務所は、なかなか大変な時代のようです。
企業顧問でも最近は月報酬1万円~なんてざらにあります。
弁護士事務所で儲かっているのは、
M&Aをやるような企業相手の大手法律事務所や過払い金やB型肝炎訴訟をやるような事務所ばかりです。
過払い金に関しては、一部の事務所では非常に儲かったようです。
しかし時効は10年。まもなく法律施行後その10年がやってきます。
弁護士や司法書士に取って、まもなくこの食いぶちは無くなる訳です。
過払い金で有名なTVCMを放映しているア〇ィーレ法律事務所の所長で石〇〇人という方がいます。
ここの事務所は日本でも10本の指に入る大きさです。
一方でTVCMを打つほどやり手ですから、なかなか法曹界でもお騒がせな方のようです。
彼は宣言しています。
「過払い金が終われば弁護士を辞める」と!!!
もう弁護士は儲からない。
だから職種を変えるそうです。
弁護士の権限も放棄して・・・・
では、何をするのか???
医者だそうです。
高齢化するこれからのマーケットは医者だと踏んでいます。
現在、北里大学の医学部に通っています。
彼はまもなく50歳です。
税理士・弁護士・社労士の資格も持っています。
自分が持っている資格に固執せず、新しい需要の有るマーケットに自分を順応していく。
その世界に入る為に資格が必要なら取得する。
実にDRYな考えです。しかし理にかなっています。
多くの人は皆勘違いしています。
資格は万能だと。
資格を取ってその世界に身を投じれば、生活が出来ると。
現実は、資格を取っただけでは食べられない。
資格とは、食べていく労働のビジョンを描き、その労働の為に取得する必要がある手段でしかない。
ティーチングプロの皆さんは自らの資格に関して、どのように考えているのでしょう??
次回へ
2017年4月13日付