売上を上げる
経営者・営業担当・お店等の商売に携わる者にとってこのテーマは永遠の課題です。
正直答えはありません。答えがあれば倒産する企業は無くなるでしょう。
しかし、論理的に考えれば答えが少し近くなるかもしれません。
何度も話題に出てきますが、上場企業の大塚家具・スーパー大手の西友、企業自体の身売り先を探しています。
一時は、儲かって儲かってしょうがない企業でした。しかし時代が変わり顧客の嗜好が合わなくなると一挙に赤字に転落します。
経営を立て直せるかは微妙です。今の時代に合う新しいコンテンツやスタイルを確立できないと厳しいでしょう。
10年掛けて改革はできません。もう残り1年程度の短い時間しか経営者にはありません。そこで現在の経営者は全ての答えを出す必要があります。
一方で、長崎のハウステンボスや大阪のユニバーサルスタジオジャパンなどは開業から何年も赤字でした。
ところがそれぞれ経営者が変わり、旅行会社のHISや航空会社スカイマークと組んで根本的な考えを変えたり、
ハリーポッター施設を作る巨大投資をした事で、双方とも大人気の施設に変わり立派な黒字企業に転換しました。
現場スタッフの努力もありますが、これだけの大規模な改革や投資は、経営者の能力や判断・行動力で成しえた案件です。
郊外にラーメン店を作った店主が、お客様が来ないのを立地のせいにしています。
しかし、郊外でも集客できるラーメン屋はあります。
商売の基本は・・・「ヒット商品を創る事」・・・
魅力が無い商品だから集客できないのです。それを店舗立地のせいにする。
多くの経営者は経営不振になると自分達の商品自体を否定できずに、不振理由を他の要素に責任転嫁する。
言い訳はいろいろあります。「天気が悪いから・人口が減ったから・環境が変わったから・立地が悪いから・ライバル店が増えたから」
それはそうでしょう。でも経営者はそれを理解したうえで改革しなくてはいけません。
環境インフラの問題を払拭出来るほどの魅力的な商品があれば良いのです。
でもそれが一番難しい。
だから本来の経営とは、そこへたどり着くまでPLAN・DO・ACTIONを繰り返し、諦めずにもがき続ける事なのだと思います。
そうは言っても、魅力的な商品だけでもいけません。
商品の魅力とは別に販売するインフラも無視しては売上は上がりません。
「お年寄り向けの商品をインターネットだけで売る」
「車が無い人向けの商品を電車もバスも無い山奥で売る」
「10万円以上の高額商品をカードが使えず現金のみで売る」
販売するインフラ環境が商品ターゲットに合っていなければ、売れる物も売れません。
物が売れない時に、商品自体の問題なのか?販売インフラの問題なのか?きちんと判断しなくてはいけません。
しかし冒頭に書いたように 商品>販売インフラ であれば、購入に不自由なインフラ環境でも消費者は購入に結びつく可能性は高いです。
とにかく物を売るには、第一に「商品の魅力」なのです。
もっと売るには2番目に「インフラ環境」なのです。
次は別の視点で考えましょう。
売上を上げるもう一つの考え方は、「チャネルを増やす」という事です。
例えば、
田舎の温泉街の土産物屋で「お土産まんじゅう」を売っているとします。そこそこの人気商品です。
お店に入った人は、10人に1人の割合で買っていきます。商品を見た人の10%が購入するのです。
1日の来場客数が1,000名なら100個売れます。
でもまだ実は赤字なのです。200個売らないと黒字化できません。
このまんじゅうをもっと売るにはどうします?200個売るには・・・・
来店客数を増やしますか?では来店客数を倍にするにはどういう戦略が必要ですか?
お店の広告をうちますか?
観光協会に行って温泉地の来場数自体を増やしてもらいますか?
予算が掛かるし簡単では無いですよね・・・
接客を向上して購入率を高くすることも考え方ですが、ここではチャネルを増やす事がテーマです。
店頭販売が10%の購買率です。10%をKEEP出来るなら・・・・
店内にイートインコーナーを作り店舗で食べて頂きます。来店者の10%が食べてくれます。
近くの道の駅にコーナーを作り販売してもらいます。陳列を見た人の10%が購買してくれます。
インターネットの窓口を作りインターネット通販をします。閲覧者の10%が購買してくれます。
販売チャネルが店頭のみから、店頭・店内・店外・通販と4つに拡がりました。
購買率が一定ならば販売には下記の式が当てはまります。
「客数×購買率×販売チャネル数」
現実には、それぞれ数字が異なるので正確な倍数にはなりませんが、ある程度解りやすい公式ではあります。
客数を増やすなら → 集客(広告)が必要。
購買率を増やすなら → 販売戦略(サービス)が必要。
一方で販売チャネルを増やすのだけは、経営手法は要りません。やる気になれば直ぐにできるはずです。
しかし経営のテクニックを駆使しても大事な事は先述した様にあくまでも「商品の魅力」があっての事。
売上を上げるには「商品の魅力」という基本が原点です。誰か商品の魅力を上げる方法を教えて下さい・・・
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2018年08月18日付