新商品で新しい挑戦

経営者にとって悩みは尽きません。
私の様な中小零細企業社長の悩みは80%以上は資金繰りです。
裏を返せば、どこのベンチャー企業もほぼお金がありません。 常に資金繰りで悩むのは中小企業の社長は当たり前。 だからこれは悩みではなく業務なのだと思う事にしています。
そんな中で、気持ちを明るくしてくれるのは新商品を出すとき。 可能性と夢と希望を新商品に託すことで、経営者は悩みがあっても勇気を出して前に進むことが出来るのです。

今回はそんなお話。

私はゴルフツアーを運営しています。ゴルフ場でお客様がプレーをするのですが問題はゴルフバッグ。
車なら良いのですが、バスや鉄道を使ったり、ツアーなどでは重いゴルフバッグを持って歩くのは難儀です。
そこで登場したのがヤマト運輸の「ゴルフ宅急便」。手ぶらでゴルフが出来る素晴らしい商品です。 当社のお客様も多くの参加者が使っています。

「ゴルフ宅急便」が凄い所は、ゴルフ場に営業所を作ってあるのです。
ゴルフ場でのゴルフ宅急便の受付は、実はゴルフ場の社員ではありません。ヤマトのスタッフなのです。わざわざ、お昼過ぎになるとヤマトのスタッフがゴルフ場へ出向き、臨時のヤマト配送所が出来ます。 荷物が有っても無くても、夕方になるとヤマトのトラックが必ず集配に向かいます。
ゴルフ場にとってもメリットがあります。
サービス商品が増えますし、受付のスタッフも要りません。ゴルフ場での取扱いは一挙に増えました。
認知が無い頃は、これだけのコストと手間で、ヤマトの部門は赤字になったかも知れませんが、今では年間に500万件以上のゴルフ宅急便の扱い量があります。 素晴らしい発想と先見の明です。物流他社はこれではこの部門では絶対に敵いません。

添乗員でもある私は、お客様がゴルフ場で宅急便の手続きするのを見て最初は何とも思っていませんでした。
「俺利用しないけど、結構高いんだよな・・・往復で3000円以上するんだ」 同時に「こんなに利用する人がいるなら、この商品当社でも出来ないかな?」と感じました。
でも、当社は物流会社ではありません。実際の配送は無理です。結局は物流会社に業務委託するしかありません。 大手物流会社は「ヤマト運輸」も「佐川急便」も「ゆうパック」も「西濃運輸」も同様な商品をすでに扱っています。

物流会社はBtoC(個人扱い)とBtoB(法人扱い)では料金が違います。
元々ヤマト運輸や日本郵便はリテール(個人宅配)が強みで、佐川急便や西濃運輸は法人物流の会社です。 しかしあくまでもゴルフバッグ配送は個人配送のリテール向け商品。
「当社が大量にゴルフバッグ配送を個人より委託されて、法人契約としてお客様個人の荷物を当社の荷物(BtoB)として輸送できないか?」と考えました。 ヤマトと佐川の担当者と協議しました。ヤマトは煮え切らない返事。ゴルフ宅急便という同じ商品があるから前向きで無いのは当然です。佐川では交渉の末何とか可能になりました。

幾つかのプロセスを経て、物流会社以外では初めて「ゴルフバッグ配送(ゴルフバッグ配送便)」の商品が出来ました。
商品に説得力を持たせる為に、旅行会社((株)ボックスツアー)が提供しているゴルフ旅行時のゴルフバッグ配送 (ゴルフバッグ配送便)という事にしました。

今年の春より開始した小さなビジネスですが、本年10月に千載一遇のチャンスが来ました。
宅配便各社が一斉に値上げに転じました。ヤマト運輸のゴルフ宅急便は1件1800円になりました。
当社のゴルフバッグ配送便は1件1400円で提供します。(オープニングキャンペーンで2018年3月まで1300円)
最大の商品特徴は、WEBだけで完結するところ。 当社データベースに顧客情報もゴルフ場も全て入っているので、伝票記入も要りません。 申込から支払いまで全てスマホで完結出来て、ゴルフバッグコンビニや集配所に届けなくても佐川急便が伝票を持って家に取りに来てくれます。

我々が行った事をビジネス的にまとめると
「発想し(アイデア) → 物流会社と交渉 → 許諾確認(契約) → 業務フローの設計 → WEBシステムの構築」
今後はマーケティング(広告・認知)の作業となります。
ここからが勝負どころです。何とか軌道に乗せたいところです。

最後にビジネスでは大事な事があります。 私が経営者として常に考えている事で、ここが本来書くべき内容かも知れません。

「安ければいい。需要が大きければいい。利益が出ればいい」という事だけではありません。
商品とは多くの人から愛されなければいけないのです。
消費者だけでなく、それを運用する物流会社や、ゴルフ場、すべてから認められなければ商品は支持されないし続かないのです。

物流会社が値上げしたのは人材不足です。 AMAZONが引き金です。一挙に物流量が増え再配達や時間指定で配達人の労力やコストは破綻しています。
一連の流れは、
倉庫から出荷→積み込み→トラック配送→倉庫で仕分け→個別トラックに積み替え→現場で仕分け→配達→不達で再配達     この作業をAMAZONはヤマト運輸へ幾らで委託しているのでしょう?

平均250~280円です!!

あり得ません。佐川急便がAMAZONのビジネスを降りたのは正解です。

ゴルフ配送便において当社は薄利です。いいんです。我々の収益を上げるべく本当のビジネスモデルは違うところにあるのですから。 しかし将来、取扱いが増えれば、それ相応の額にはなるはずです。
その代わり佐川急便には十分な還元が出来るはずです。物流会社の作業は回収も配達も再配達もAmazonもゴルフ配送便も同じ事。
違うのは荷物の大きさと重さぐらい。配達人の手間は同じでも当商品なら佐川急便へ1個あたりの物流売上はAmazon扱いの数倍も貢献できます。

消費者には商品を安く提供できます。物流会社には業務に対して正当な費用を支払う事ができます。
我々もサービスが増えますし、ビジネスとして利益を手にする事が出来ます。

どうか皆さん応援して下さい
しばらくしたら、この商品の続きをコラムに書きたいと思います。

やる事はまだまだいっぱいありそうです・・・

ゴルフ配送便はここをクリック http://www.golfhaiso.net



次回へ
2017年12月05日付

BRAND