行動心理学

最近、心理学の本ばかり読んでいます。
ビジネスに必要なのはマーケティングと言いますが、それは消費が行われたデーターを元に分析する手法。 所謂、マーケティングとは消費の結果分析。
しかし、どうすれば消費に繋がるかは、マーケティングでは捉え切れない事も多いはず。 「思いもよらず、突然ヒット商品になる。」事はマーケティング分析では難しい。 音楽業界の「DAPUMPのU・S・A」なんていい例だと思う。90年代のリバイバルで大ヒットして、紅白の出場まで掴んだ。 マーケティングでは絶対にあり得ないヒット。
ヒットするには「人の心を掴む事」。その答えを導くのはデータ分析よりも心理学に近いと思っている。

フロー理論というのがある。心理学者のミハイ・チクセントミハイによって発表された。

何故多くの子供は、勉強を続けられないのか?しかしテレビゲームならば継続してPLAYし続けるのか?

人間には向上心がある。目標を達成した時に達成感と喜びが生まれる。その為に人は努力する。 しかし、その目標が遠すぎたり見えないと向上心は生まれない。 また、達成できたとしても簡単すぎる目標は飽きてしまい継続は生まれない。「楽しくない」からである。

掛け算・割り算が出来る小学校4年生に分数を教える時、勉強が嫌になる。良く分からないし、簡単に解けないからだ。
しかし、解き方が分かれば、自ら進んで次の問題を解こうと思う。 今度は小学4年生に足し算と引き算の問題を解かせる。皆100点近く取れる。しかし長くは続かない。飽きてしまうし楽しくないからだ。

結論を言えば、自分が努力して達成できる事が分かれば、人間は継続できる。 簡単すぎてもいけない。難しすぎてもいけない。 現在の自分より少しベクトルが高い事が、継続させる為に必要な事なのである。

このフロー理論はビジネスでも多く使われている。 テレビゲームは電源を付けて、闘い始める時、自分も弱いが、相手も弱い。
少し戦って経験値が上がると、敵を倒せる。しかし次に現れる敵のキャラクターは少し強くなる。これを繰り返す。常に相手は自分より少し強いのだ。所謂フロー理論だ。
スイッチを入れていきなりボスキャラが出てきては、絶対に勝てないだろう。子供はもしそれに気が付いたら1時間でゲームを辞めてしまう。絶対に勝てない=達成感が無いからだ。
アクション映画も同じ理論だ。
正義感のある刑事は、町の治安の為にチンピラと戦う。当然刑事が勝つ。
次にチンピラのボスが出てくる。大がかりなカーチェイス。結局刑事が勝つ。
ところが悪いのは、警察署の所長だった。警察と戦う。またまた刑事が勝つ。
結局大ボスはFBIの主幹だった。ヘリコプターも機関銃も軍隊も出てくる。最終的に正義の刑事が勝つ。

刑事が強い事が分かると、次に出てくる敵はさらに強力になる。フロー理論。 だから2時間の映画を席を立たずに夢中で見るのである。最初から最後まで、刑事の敵が町のチンピラだけだったら、貴方は2時間映画を見続けるだろうか?


ダン・アリエリーの行動経済学というのもある。

我々はスターバックスで300円のコーヒーを飲むか、コンビニで100円のコーヒーを飲むか、たった200円しか違わないのに散々悩む。
一方で200万円の中古車を買う時に、現在標準仕様のカーステレオ・カーナビやタイヤに追加で20万円出せば、オプションで豪華カーオーディオ・カーナビやアルミホイルが50万円分付いてくる。 ほとんどの人が悩まずにオプションを付ける。標準仕様で購入しても十分に機能するのに・・・
200円のコーヒーの違いに死ぬほど悩むのに、車なら20万円は即決する。 100円のコーヒーに対する200円。200万の車に対する20万円。
金銭価値は同じはずなのに、比較する金額により、感情が変わる。金額の大小は関係ない。人間の判断はあいまいだ。

1200円のランチが美味しそうだ。でももったいないから900円のランチを食べる。 その夜に、彼女とレストランに行く。レストランのカードのポイントが20,000円分溜まっていた。
4000円のディナーか7000円のディナーか? 彼女は「4000円で良い」というのに、彼は迷わずに7000円のディナーを2つ頼む。 何故なら、どうせポイントで払うから・・
良く考えれば、ポイントの金額も現金と一緒。お店にしてみれば今までの割引分をポイントとしてカードに付けただけ。
だけど支払う彼は、ポイントはタダだと思ってる。所詮今日はお金を払わない。無料だから夕飯が高くても痛くない・・・
そう、アリエリー曰く、現金の支払いは心の痛みが伴う。お財布から現金がなくなる事は心に負担が掛かる。
ポイントやカードでの支払いは同じ金額でも、心が痛まない。 10,000円の現金が入っている財布から8,000円を現金で支払うより、14,000円をカードで払う方が人間には心理的負担が少ないのである。

私はビジネスに心理学というのは重要だと思っている。
100円ではなく、98円
1000円の商品を「500円引き」と書くより、「今なら半額!!!」

心理学をどう自分のビジネスに結びつけるか。
実は良く分からない??
そこが一番大事なはずなのに・・・・・・・




次回へ
2018年11月25日付

BRAND